アメリカ食品輸出に対するリスク回避について。
現在、弊社ではアメリカ市場をターゲットとした食品輸出をメインに行っています。
ここで、誰もがご存じであるFDA登録の問題があります。
FDAの施設登録自体はアメリカのエージェントがいれば誰でもできます。
また、エージェント代行会社もネットをしらべれば出てきますが、
こちらは名義貸しといった意味合いでサービスが展開されているのではないかと思います。
私も10年以上前であればそれでも問題になることはなかったと思いますが、
実際にFDAの査察が行われたと聞いたことはあまりなかったので問題ではありませんでしたが、
しかし、現在では状況が全く違ったものになっております。
なぜかというと、2011年に施行されたFSMA(FDA Food Safety Modernization Act)というものがあります。
これはアメリカの食品安全の近代化を目的とした法律で。これによりFDAに大きな権限が与えられるようになりました。
また、この法律は食品雄安全の危害を特定し、予防管理を行うアプローチを目的にしております。
まず、アメリカ側の輸入者側にも輸入商品に対する管理が求められることになりました。
これは、もし万が一事故などが起こった場合、迅速に商品の情報を提出しなくてはなりません。
また、輸入者側は仕入先の海外の工場に対して、アメリカの基準に適合するように指導も行わなければならなくなりました。
また、FDA査察に関してもFSMAで査察回数を増やすように定められているために、今後、日本でも査察対象の工場が増えてくると考えられます。
先ほど出てきたアメリカのエージェントサービスなどを選ぶ場合、このことに関してもしかりと質問をしてどの程度対応されるのか確認しておいた方が安全かと思います。
10年前であれば問題ではなかったことが、コロナ以降、FSMAの運用の影響が大きくなってきている感じを受けます。
現在、私どもの会社のアメリカの販売先の会社では商品の管理が徹底されており、
以前では考えられないくらい、細かな情報提供が求められています。
また、今のアメリカの小売業社、ディストリビューターなどの会社にはFood Security部門が多く設置されるようになってきております。
日本の食品会社で今後アメリカ市場に販売を考えておられる会社様がございましたら、以上のことを留意しておくことが大切かと思います。